3.15 多重積分の広義積分への応用
例 3.74 (多重積分の広義積分への応用) 広義積分
を求める. 関数 を 誤差関数またはガウシアン(Gaussian)といい, 正規分布関数に用いられる.まず,円の内部の領域 と正方形の領域 を
とおき,多重積分
を考える. を計算すると
となる.ここで,
である. を計算すると
となる.次に,領域 , , を考える. これらは下図 (b) のように包含関係
があり, 領域の面積には
と大小関係がある. 同じ正の関数に対する異なる領域での多重積分は, 領域の面積が大きい方が多重積分の値は大きくなる. よって,
が成り立つ. これは先ほどの計算結果より
となる. の極限をとるとはさみうちの定理より,
を得る.よって,
が成り立つ.
(a) (b) 領域 , ,
平成21年1月14日