4.5 線形変換
定義 4.23 (線形変換) ベクトル空間 から自分自身への線形写像 を 線形変換(linear transformation)という.
定理 4.24 (線形写像の表現行列) の基底を , , とし, 座標を , , とおく. このとき, 任意の線形変換 は
と行列表示で書ける. ただし, は の標準基底 に関する の表現行列とする. また, は に対する の基底の変換行列であり, を の基底 に関する表現行列という.
例 4.25 (線形変換の表現行列の基底の取り替えの具体例) 線形変換 ;
の基底
における表現行列 を求める. の任意のベクトルは
と表される. は の 標準基底 に対する 基底 の基底の変換行列であり, は 座標 から 座標 への座標変換を表す. であるから, 同様に が成り立つ. これより,
となるので,
が成立する. よって基底 に関する の表現行列 は
により定まる. また,基底 に関する 行列表示は
であり,
とも書ける. 座標系 において線形写像 は, 軸方向は変化せず, 軸方向は 倍となる変換である.
Kondo Koichi
平成18年1月17日