4.4 一般の基底に関する表現行列
定理 4.21 (線形写像の表現行列) , の基底をそれぞれ , , , , , とする. また, , の座標をそれぞれ , とおく. このとき, 任意の線形写像 は
と行列表示で書ける. ただし, は の標準基底 と の標準基底 に関する の表現行列とする. また, は に対する の基底の変換行列であり, は に対する の基底の変換行列である. を の基底 と の基底 に 関する表現行列という.
例 4.22 (基底を取り換えたときの表現行列の具体例) 線形写像 ;
を考える. の基底を
とし, の基底を
とする. 基底 と 基底 に関する の表現行列 を求める. まず, , の任意のベクトルはそれぞれ
と表される. は の 標準基底 から 基底 への 基底の変換行列であり, は の 標準基底 から 基底 への 基底の変換行列である. は 座標 から 座標 への座標変換を表し, 同様に, は 座標 から 座標 への座標変換を表す. このとき,
となるので, より
が成り立つ.よって は
により定まる. あらためて行列表示すると
と表される.
Kondo Koichi
平成18年1月17日