1.8 における直線の方程式
注意 1.37 ( の直線の方程式) 直線 を考える. このとき
(44)
とおく. の直線の方程式は
(45)
と表される. この式は 点 を通り 方向ベクトルが であることが 分かり易い形である.式変形をする. , , とおく. すると
(46)
であり,または
(47)
となる. この式は を用いると
(48)
とも表される. であるから, ベクトル は を満たす. すなわち は方向ベクトル と直交する. 方向ベクトルと直交するベクトルを 法線ベクトル(normal vector)という.さらに式変形する. とおく. すると
(49)
と表される. この式は は についての 次関数であることと, 直線は点 を通り 傾きが であることが分かり易い形である.
注意 1.38 ( の直線の方程式) の直線の方程式はいくつかの書き方がある. まず,
(50)
と書くとき, は 方向ベクトルを表す.
(51)
と書くときでは, は傾きを は 切片をそれぞれ表す.
(52)
と書くときは, は 法線ベクトルを表す.
(53)
と書けば, は 切片を は 切片をそれぞれ表す.
例 1.39 ( の直線の方程式の具体例) 点 , を通る直線の方程式を考える. まず
(54)
とおく. は方向ベクトルである. 直線の方程式のパラメータ表示は
(55)
である. とおき を消去すると, 直線の方程式の成分表示は
(56)
であり,変形して
(57)
である.法線ベクトルは である. さらに変形して
(58)
となる.傾きは であり, 切片は である. さらに変形して
(59)
となる.切片は であり, 切片は である.
例 1.40 ( の直線の方程式の具体例) 点 , を通る直線の方程式を考える. 直線の方程式を
(60)
と仮定する. 点 , は直線上にあるので
(61)
が成り立つ. この連立方程式を解くと
(62)
となる.直線の方程式を
(63)
と得る.
注意 1.41 ( の直線の方程式) 直線は 点より定まることと 連立方程式の解が一意に定まることとは等価である.
問 1.42 ( の直線の方程式) 点 , を通る直線の方程式を求めよ.
問 1.43 ( の直線の方程式) 点 を通り方向ベクトルが の 直線の方程式を求めよ.
問 1.44 ( の直線の方程式) 点 を通り法線ベクトルが の 直線の方程式を求めよ.
問 1.45 ( の直線の方程式) 傾きが , 切片が の直線の方程式を求めよ.
問 1.46 ( の直線の方程式) 切片が , 切片が の直線の方程式を求めよ.
Kondo Koichi
平成17年9月15日