2.22 2 次元空間の極座標
定義 2.88 (極座標) 2 次元空間において, 直交座標 から 極座標(polar coordinates) への 座標変換は
☆
で与えられる.
注意 2.89 (極座標) 極座標 から 直交座標 への座標変換は
★
と表される.
例 2.90 (極座標のヤコビアン) 座標変換(☆)より
となるらか,ヤコビアンは
と得られる.
例 2.91 (極座標における偏微分作用素の変換) 座標 から極座標 への変換(☆)を考える. 関数 を , に関して偏微分すると, 合成関数の微分則より
△
が成り立つ.これは
♭
とも表される. 行列 の行列式がヤコビアンである. このとき,
と書くと関数 は任意であり省略すると
となる. (★)を用いて右辺の , を , で表すと
となる. これは偏微分作用素における 極座標 から座標 への座標変換である. 点に関する座標変換(☆)とは 変換の向きが異なることに注意する.
例 2.92 (極座標における偏微分作用素の変換) 極座標 から座標 への変換(★)を考える. 関数 を , に関して偏微分すると, (★)と合成関数の微分則より
が成り立つ. さらに(☆)を用いて右辺を , で表すと
▲
となる. これは
とも表される. この式は(♭)の両辺に を左から掛けることでも 得られる.すなわち, となる. ここで,
と書くと,関数 は任意であり省略すると
○
を得る. これは偏微分作用素における 座標 から極座標 への座標変換である. 点に関する座標変換(★)とは 変換の向きが異なることに注意する.
例 2.93 (極座標への座標変換) 関数 に対して関数
を考える. この関数を極座標 で表す. (▲)を代入すると
を得る.
例 2.94 (極座標におけるラプラシアン) 関数 に対して関数
を考える. この関数を極座標 で表す. (○)より,
となる. よって
を得る.
例 2.95 (極座標におけるラプラシアン) ラプラス演算子
を座標 で表す. 前例題より
が成り立つ.関数 は任意であるから,
を得る.
Kondo Koichi
平成18年1月18日