2.10 全微分
定義 2.50 (全微分可能) 関数 において, 点 から点 への 増分
に対して
をみたす , が存在するとき, 関数 は 全微分可能(total differentiable)であるという. このとき,
と表記し, を の全微分 または単に微分という.
例 2.51 (微分可能) 関数 は全微分可能であるか考える. まず,増分は
である.この増分が
の形をみたすと仮定する. このとき式変形すると
となる.ここで , とおき, の極限をとると,
を得る. となるためには
とおく. よって,
が成り立つ. 関数 は全微分可能である. また, の全微分は
となる.
Kondo Koichi
平成18年1月18日