2.7 高階偏微分
関数 の 1 階偏導関数 , は , に関する 2 変数関数であるから, さらに または に関して偏微分することができる. このとき
と表記する. これを2 階偏導関数という. さらに偏微分すると
と表記し3 階偏導関数という. さらに偏微分を繰り返して , についてあわせて 回偏微分して できた導関数を
と表記し, 階偏導関数という.
例 2.33 (高階導関数) 関数 の高階偏導関数は,
となり,さらに 階以上の偏導関数はすべて 0 となる. ここで,この関数の場合は
となることに注意する.
注意 2.34 (偏微分の可換性) 一般には偏微分は交換可能ではない:
定理 2.35 (偏微分の可換性) 関数 において,, が存在し, かつこれらが連続関数であるとき, が成り立つ. (注意)逆は成り立たない.
注意 2.36 (偏微分の可換性) 偏微分が可換となる十分条件は他にも色々あるが, 実用上は上の定理が一番有用である. ほとんどの普通の関数はこの定理の十分条件をみたし, 偏微分が , について可換となる.
問 2.37 (偏導関数) 次の関数の高階偏導関数を計算し, , , となることを確認せよ.(1) (2)
(3) (4) (5)
(6) (7)
Kondo Koichi
平成18年1月18日