3.15 高階導関数
定義 3.32 (高階導関数) 関数 が微分可能のとき, の導関数
(321)
を2 階導関数(second order derivative)という. このとき は 2 回微分可能(two times differentiable)と呼ぶ. 同様に を 回繰り返し微分した関数を 階導関数(-th order derivative)といい, と書き表わす. 関数 は
(322)
と再帰的に定義する. ただし とする. が存在するとき は 回微分可能( times differentiable)という.
注意 3.33 (高階導関数) 高階導関数 は関数 に 回 微分演算 を作用させたものであるから, 記号の表記は次のように行う:
(323)
例 3.34 (高階導関数の計算例) の高階導関数を求める. が自然数ではないとき,
(324) (325) (326) (327) (328)
を得る. よって一般的に
(329)
と表される.
定義 3.35 (階乗の拡張) に対して
(330)
と定義する.
例 3.36 (高階導関数の計算例) 自然数 とする. の高階導関数は
(331) (332) (333) (334) (335) (336) (337) (338)
より,一般的に
(339)
と表される.
例 3.37 (高階導関数の計算例) の高階導関数を求める. 合成関数の微分を繰り返して
(340) (341) (342) (343) (344)
を得る.
例 3.38 (高階導関数の計算例)
(345) (346) (347) (348) (349) (350) (351) (352)
問 3.39 (高階導関数の例) , , の を求めよ.
例 3.40 (高階導関数の計算例)
(353) (354) (355) (356) (357) (358) (359)
定義 3.41 (階乗の拡張) 整数 に対して を
(360)
と定義する. すなわち奇数,偶数に対しては
(361) (362)
と表される.
問 3.42 (高階導関数) の高階導関数を求めよ.
Kondo Koichi
平成17年8月31日