6.10 定積分

定義 6.35 (定積分)   有限区間 $ [a,b]$ において関数 $ f(x)$ は連続とする. 区間 $ [a,b]$

$\displaystyle a=x_{0}<x_{1}<x_{2}<\cdots<x_{k-1}<x_{k}<\cdots<x_{n-1}<x_{n}=b$ (1031)

のように $ n$ 個の領域に分割する. このとき面積

$\displaystyle S_{n}$ $\displaystyle = \sum_{k=1}^{n} f(\xi_{k})\Delta x_{k}\,,\quad \xi_{k}\in I_{k}=[x_{k}, x_{k-1}]\,,\quad \Delta x_{k}=x_{k}-x_{k-1}$ (1032)

を考える. 極限 $ n\to\infty$ のもと 面積 $ S_{n}$ の極限が存在するとき, この極限を

  $\displaystyle \int_{a}^{b}f(x)\,dx= \lim_{n\to\infty} \sum_{k=1}^{n} f(\xi_{k})\Delta x_{k}\,$ (1033)

と書き, 関数 $ f(x)$$ a$ から $ b$ までの 定積分(definite integral)という. このとき $ f(x)$積分可能であるという. 区間 $ [a,b]$積分区間という.

注意 6.36 (定積分の意味)   区間 $ [a,b]$ において $ x$ 軸と $ y=f(x)$ とで囲まれた領域の 符合付き面積である.

6.37 (定積分の具体例)  

  $\displaystyle \int_{a}^{b} c\,dx= \lim_{n\to\infty} \sum_{k=1}^{n} f(\xi_k)\Delta x_{k}= \lim_{n\to\infty} \sum_{k=1}^{n} c(x_{k}-x_{k-1})$ (1034)
  $\displaystyle = \lim_{n\to\infty} c\left( (x_{n}-x_{n-1})+(x_{n-1}-x_{n-2})+\cdots+(x_1-x_0)\right)$ (1035)
  $\displaystyle = \lim_{n\to\infty} c\left(x_{n}-x_{0}\right)= \lim_{n\to\infty}c(b-a)=c(b-a)\,.$ (1036)

Kondo Koichi
平成17年8月31日