3.10 極座標への置換積分
例 3.51 (多重積分の変数変換) 多重積分
を求める. 積分変数を
とおく. このとき極座標への座標変換のヤコビアンは
であり,領域 を で表すと,
となる. これらより,
を得る.
注意 3.52 (極座標の面素) 直交座標 から極座標 への変換で, 面素は と変換される. 座標では辺の長さが と の長方形の面積であり, 座標では辺の長さが と (半径 ,角 の円弧の長さ)の 長方形の面積となる.
問 3.53 (多重積分の変数変換) 領域 を に関して単純な領域とみなし, 多重積分を
により求めよ.
(a) 領域 (b) 座標 (c) 領域
(d) 座標での (e) 座標での
例 3.54 (多重積分の変数変換) 多重積分
を計算する. ここで, 2 次元の極座標 , を用いると, 領域 は 座標では領域
となる. 多重積分を置換積分し, に関して単純な領域であることに注意して計算すると,
となる. ここで,
を用いると,
と求まる.
例 3.55 (多重積分の変数変換) 多重積分
を計算する. 領域 は
と書けるので, 中心 で半径 の円の内部の領域である. ここで, 座標変換 , を考える. このとき,領域 は 座標で,
となる.ヤコビアンは
となる. 多重積分を置換積分すると,
を得る.
平成21年12月2日