6.11 有理関数の積分 〜 部分分数の積分
例 6.56 (部分分数の積分の計算例)
Type 1:
Type 2:
Type 3:
Type 4:
Type 5:
Type 6: これはあとの例題で示す.
例 6.57 (有理式関数の不定積分の具体例) (Type 1 のみ) 不定積分
を計算する. まず,部分分数分解する.
とおき,通分し分子を比較すると
となる. これに, を代入すると を得る. を代入すると を得る. を代入すると を得る. よって
となる. これを積分して
を得る.
例 6.58 (有理式関数の不定積分の具体例) (Type 1, 3, 5) 不定積分
を計算する.まず, 部分分数分解として
とする. 通分して分子を比較すると
となる. これに , , をそれぞれ代入すると,
となる. これを解くと
を得る. よって部分分数分解は
と表される. よって,
を得る.
例 6.59 (有理式関数の不定積分の具体例) (Type 1, 3, 5) 不定積分
を計算する. まず
とおき,通分し分子を比較すると,恒等式
を得る. これに , , をそれぞれ代入すると
となる. これを解くと
を得る.よって
となる.これより
を得る.
例 6.60 (有理式関数の不定積分の具体例) (Step1, Type 3, 5) 不定積分
を計算する. 分子の次数が分母の次数以上であるから, 分子を分母で割り
のように変形する. 多項式部分は積分される. 残るは有理式の積分である. これを計算すると
となる. よって
を得る.
例 6.61 (有理式関数の不定積分の具体例) (Type 6) , の場合の を求める.
例 6.62 (有理式の積分) (Type 5) 不定積分
を計算する. 被積分関数の有理式の分母が 0 となるのは のときだから, 代数方程式 を複素解も含めて解くと,
となる. 複素解を順に , , , とおくと, 分母は
と因数分解される. 被積分関数の有理式を部分分数分解すると,
とおける.右辺を通分するとその分子は,
となるので, , , , とおいて解くと, , , , を得る.よって
と書ける. よって積分は
となる. ここで,
をみたす を , で表す. , , とおくと, となるので, 両辺に を作用させると,
を得る.これを用いると,
となる. また, とすると,
となるので,
を得る.
平成21年6月1日