有理関数
の不定積分
を考える.
任意の有理関数は積分可能である.
Step 1 (分子を分母で割る)
分子の次数 が分母の次数 以上のときは
まず割り算を行い,
とする.
このとき多項式の部分は必ず積分が可能である.
よって以後では分子の次数 は分母の次数 より小さい()とする.
Step 2 (分母を因数分解する)
有理式を
とする.
分母の多項式 を実数の範囲で因数分解する.
このとき
と表される.
は重複度である.
2次式の判別式は負である.
Step 3 (部分分数分解する)
有理式
を
部分分数分解する.
すなわち
と変形する.
問 6.41 (部分分数分解)
任意の有理式
は
上式のように部分分数分解される.これを示せ.
Step 4 (部分分数ごとに積分する)
部分分数ごとに積分を行う.
すなわち
を計算する.
それぞれの場合ごとに積分を考える.
分母の因子が 次式の場合
の積分を行なう. のとき
Type 1: |
|
となる.
のときは
Type 2: |
|
となる.
分母の因子が 次式の場合の積分を行なう.
次式の判別式が負であることに注意すると
と表される.
ここで
,
, とおき,
とおいた.
積分 は
となり, (
) は
と求まる.
第二項目の積分 を計算する.
のとき
となる.
のときは漸化式
より が定まる.
これを示す.
とおいて置換積分を用いると
となる.
分子を変形すると
第 1 項は であり,第 2 項を部分積分すると
となる.残った積分も である.
式変形してまとめると
となり漸化式を得る.
平成21年6月1日