4.14 余因子行列
定義 4.89 (余因子行列) 次正方行列 に対して
(759)
と定義される行列を の余因子行列と呼ぶ.
注意 4.90 (余因子行列) 余因子行列 の 成分の添字は転置行列のならび方であることに注意する.
定理 4.91 (余因子行列の性質) 正方行列 とその余因子行列 に対して
(760)
が成立する.
(証明) , , とおく. 積の定義より
(761)
である. これは の第 行の余因子展開だから
(762)
となる. 第 行目に第 行目の成分がならぶ. であるとき第 行目と第 行目は同じ行となるから, 行列式は 0 となる. のときは,行列式は と等しい. よって,
(763)
を得る.以上より
(764)
が示される. も 同様に示される.
平成20年2月2日