4.12 余因子展開
定理 4.75 (余因子展開) 行列式 に対して
(737) (738) (739)
が成り立つ. これを第 行に関する余因子展開という. また,
(740) (741) (742)
が成り立つ. これを第 列に関する余因子展開という.
問 4.76 (余因子展開) これを示せ.
(証明) 第 行に関する余因子展開を示す. まず行列式 の第 行目を第一行目に移動すると
(743)
となる. 次に第一行目の行ベクトルを 個のベクトルとしてみなし, 行列式を 個に分解すると
(744) (745) (746)
となる. 各項の第 列を第一列に移動すると
(747) (748) (749)
となる.各項を第 成分で展開すると
(750) (751) (752)
を得る. 同様の操作で列に関する余因子展開は示される.
例 4.77 (余因子展開の計算例) 第 列目で余因子展開し,
(753) (754)
を得る.
例 4.78 (余因子展開の計算例) 第 行目で余因子展開し,
(755) (756)
を得る.
例 4.79 (余因子展開の計算例) 第一行目を余因子展開し,
(757) (758)
を得る.
平成20年2月2日