3.2 内積空間
定義 3.3 (実ベクトル空間の内積) 上のベクトル空間 の任意の 2 つのベクトル , に対して, 2 項演算 が次の条件(i)-(iv)をみたすとき, 演算 を内積(inner product)という.
- (i).
- .
- (ii).
- , .
- (iii).
- .
- (iv).
- のとき .
定義 3.4 (複素ベクトル空間の内積) 上のベクトル空間 の任意の 2 つのベクトル , に対して, 2 項演算 が次の条件(i)-(iv)をみたすとき, 演算 を内積(inner product)という.
- (i).
- .
- (ii).
- , .
- (iii).
- .
- (iv).
- のとき .
注意 3.5 (複素ベクトル空間の内積)
- (iia)
- .
- (iib)
- . ( (i), (ii))
定義 3.6 (内積空間) 内積が定義されたベクトル空間を 内積空間(inner product space)という.
定義 3.7 (標準的な内積) 実ベクトル空間 に対して内積
を の標準的な内積という. また, 複素ベクトル空間 に対して内積
を の標準的な内積という.
問 3.8 (標準的な内積) 標準的な内積が内積の定義(i)-(iv)をみたすことを示せ.
問 3.9 (内積の具体例) 区間 で連続関数の集合 はベクトル空間である. の 2 つのベクトル , に対して 2 項演算 を
と定義する. この演算は性質(i)-(iv)をみたすので内積となる. これを示せ.
問 3.10 (内積の具体例) の 2 つのベクトル , に対して 2 項演算
は性質(i)-(iv)をみたすので内積となる. これを示せ.
Kondo Koichi
平成18年1月17日