2.1 $ 2$ 変数関数

定義 2.1 (2 変数関数)   変数 $ x$, $ y$ の値に対応して変数 $ z$ の値が定まるとき,

$\displaystyle z=f(x,y)$    

と表記し,$ f$2 変数関数という. このとき $ x,y$独立変数(independent variable)$ z$従属変数(dependent variable)という.

2.2 (2 変数関数の具体例)   関数 $ f(x,y)$

$\displaystyle f(x,y)=x^2+5xy+2y^2$    

と与えられるとき,$ f(2,-3)$ と表記するときは

$\displaystyle f(2,-3)=(2)^2+5(2)(-3)+2(-3)^2=-8$    

を意味する.

2.3 (2 変数関数)   関数 $ f(x,y)=x^3-2x^2y+3y^2$ に対して, 値 $ f(0,1)$, $ f(1,1)$, $ f(2,0)$, $ f(1,-1)$ を求めよ.

定義 2.4 (定義域)   関数 $ z=f(x,y)$ の 独立変数の組 $ (x,y)$ がとりうる領域を定義域(domain)という. 定義域 $ D$$ xy$ 平面上の集合である. 境界を含む場合を閉領域(closed domain)と呼び, 境界を含まない場合を開領域(open domain)と呼ぶ.

2.5 (定義域の具体例)   境界を含む長方形領域

$\displaystyle D=\left\{\left.\,{(x,y)}\,\,\right\vert\,\,{a\leq x\leq b,\,c\leq y\leq d}\,\right\}$    

は閉領域である. 境界を含まない長方形領域

$\displaystyle D=\left\{\left.\,{(x,y)}\,\,\right\vert\,\,{a<x<b,\,c<y<d}\,\right\}$    

は開領域である.

2.6 (定義域の具体例)   原点を中心とする半径 $ a$ の円の境界とその内部の領域

$\displaystyle D=\left\{\left.\,{(x,y)}\,\,\right\vert\,\,{x^2+y^2\leq a^2}\,\right\}$    

は閉領域である. 原点を中心とする半径 $ a$ の円の内部の領域

$\displaystyle D=\left\{\left.\,{(x,y)}\,\,\right\vert\,\,{x^2+y^2< a^2}\,\right\}$    

は開領域である.

2.7 (実平面)   実 $ 2$ 次元平面

$\displaystyle \mathbb{R}^{2}=\left\{\left.\,{(x,y)}\,\,\right\vert\,\,{-\infty<x<\infty,\,-\infty<y<\infty}\,\right\}$    

は開領域である.

注意 2.8 ($ 2$ 変数関数のグラフ)   定義域 $ D$ $ \mathbb{R}^2$ 平面内の集合である. 一方, $ z=f(x,y)$ をみたす点 $ (x,y,z)$ の集合は $ 3$ 次元空間 $ \mathbb{R}^3$ 内の曲面を表す. この曲面を関数 $ z=f(x,y)$グラフという.

Kondo Koichi
平成18年1月18日