3.11 体積の計算
例 3.52 (球の体積) 半径 の球の体積は である. これを多重積分で求める.(その 1) 球を 8 等分し底面が
であり,上面が
の体積
として求める. 2 次元の極座標 , とおくと, 領域 と等価な領域は
であり,面積素は となるので,
と得られる.(その 2) 球を 8 等分し,領域
の体積
として求める. 3 次元の極座標 , , とおくと, 領域 と等価な領域は
であり,体積素は
となるので,
と得られる.
例 3.53 (円柱の体積) 底面の半径 ,高さ の円柱の体積は である. これを多重積分で求める.(その 1) 円柱の底面が 平面にあるとし,
とおく.円柱の上面は平面 である. 円柱の体積は
と求まる. ただし,
とする.(その 2) 円柱の領域は
と表される. この領域を円筒座標 , , で置き換えると, の領域は
であり,ヤコビアンは
であるので,
が成り立つ. 円柱の体積は
と求まる.
例 3.54 (円錐の体積) 底面の半径 ,高さ の円錐の体積は である. これを多重積分で求める. 円錐の底面は 平面にあるとし, その領域を
とおく. 軸と点 との距離を とおくと, 円錐の斜面では図 (b) より,
が成り立つ.よって,斜面は
と表される.よって円錐の体積は
と求まる. ただし,極座標変換を用いて
とした.
問 3.55 (円錐の体積) 円錐の体積を
により求めよ.
(a) 円錐 (b)
例 3.56 (体積の計算) 半球
と無限にのびる円柱
の共通部分 の体積 を求める. 領域 は
と表される. 領域 は底面の領域を
とする曲面 の体積であるから, の体積 は
と求まる. ここで 2 次元の極座標 , を用いた. 領域は は領域 と等価な領域で
である.
(a) (b) 領域
例 3.57 (体積の計算) 球
と円柱
の共通部分 を球 から取り除いた領域 の体積 を求める. 領域 を 8 等分して体積を
により求める. 2 次元の極座標変換をすると底面の領域 は
であり,体積は
と求まる.
問 3.58 (体積の計算) 2 つの円柱
の共通部分 の体積 を求めよ.
Kondo Koichi
平成18年1月18日