2.32 2 変数の陰関数
定義 2.134 (陰関数) 変数 , , が条件 をみたすとき, は , の関数 であるとみなせる. すなわち,
により定義される関数 を, で定義される陰関数(implicit function)という.
例 2.135 (陰関数) 条件
により定まる陰関数 の偏導関数を求める. を代入すると
となる.両辺を で偏微分すると
となので,
を得る.同様にして で偏微分すると
となるので,
を得る.
定理 2.136 (陰関数の微分) 条件 で定義される陰関数 の偏導関数は, のとき
で与えられる.
(証明) 条件 に を代入して, 両辺を で偏微分すると
0
となるので, を得る. 同様にして で偏微分すると
0
となるので, を得る.
例 2.137 (陰関数) 条件
により定まる陰関数 の偏導関数を求める. まず,
より,偏導関数は
と得られる.
例 2.138 (陰関数) 条件
により定まる陰関数 の 2 階偏導関数 , , を求める. 条件 の両辺を で偏微分すると
☆
である.さらに で偏微分すると
0
となるから,
を得る. (☆)の両辺を で偏微分すると
0
となるから,
を得る. 条件 の両辺を で偏微分すると
である.さらに で偏微分すると
0
となるから,
を得る.
問 2.139 (陰関数) 次の条件で定義される陰関数 の導関数を求めよ.(1) (2) (3)
(4) (5) (6)
(7) (8)
Kondo Koichi
平成18年1月18日