4.7 等比数列の極限
例 4.22 (等比数列の極限) 等比数列 の極限を考える. (i) , (ii) , (iii) の場合に分けて議論する. まず,(i) のとき,常に である.極限は である. つぎに,(iii) のとき, とおく.このとき をみたす. を を用いて書き下すと
(429)
を得る.ここで は 二項係数(binomial coefficient)であり,
(430)
と定義する. は階乗(fractorial number)であり,
(431)
と再帰的に定義する. をあらためて書き直すと
(432)
となる. 第三項以降を足したものは正となるので,
(433)
を得る. のとき より を得る. 最後に,(i) のときを考える. を用いて を と置き換える. このとき を満たす. を用いて を書き下すと,
(434)
を得る. 不等式
(435)
が成立する. のとき であるから, はさみうちの定理より を得る. 以上をまとめると
(436)
が求まる.
問 4.23 (極限の計算) 次の漸化式で与えられる数列の一般項と極限を求めよ.
- (1)
- .
- (2)
- .
(答え) (1)
(437)
(438)
(2)
(439) (440) (441)
かつ のとき は 0 に収束する. それ以外は発散する.
Kondo Koichi
平成17年8月31日