4.2 数列の極限
数列 が
と与えられたとする. この数列 は が 限りなく大きくなるにつれて 0 にどんどんと近づいて行く. このことを数学的には, 数列 は 極限(limit)が存在し 0 に収束する(convergent), という. 一般的には次のように表現する.
定義 4.6 (数列の極限)
が限りなく大きくなるにつれて, (386) は限りなくある確定した有限値 に近づいて行く. (387) (388) (389) の極限は である. (390) は に収束する. (391)
収束しない場合を発散する(divergent)という.
注意 4.7 (数列の極限に関する注意) 数列()は であるので, がいかに 0 に近づいたとしても, 決して 0 になることはない. である. の意味はあくまでも, 数列 は 0 に近づいて行く,という意味である.
例 4.8 (負巾で表される数列の極限) 次の一般項をもつ数列をそれぞれ考える:
(392)
すべての数列に対して である. これは標語的に書くと である. このとき数列は有限確定である.
Kondo Koichi
平成17年8月31日