3.3 導関数の計算
定理 3.8 (微分演算に関する性質) 関数 , が微分可能なとき, 次の関係が成り立つ:
- (1)
- (和の微分) .
- (2)
- (微分の線形性) (, :定数).
- (3)
- (積の微分) .
- (4)
- (商の微分) ().
- (5)
- (合成関数の微分) のとき , とおけば
(204)
この演算規則をチェインルール(chain rule)と呼ぶ.- (6)
- (逆関数の微分) , のとき
(205)
例 3.9 (導関数の計算例) 次の関数の導関数を求めよ.
(206) (207) (208) (209)
問 3.10 微分演算に関する性質を示せ.
(証明)(1) とおく. 定義に従い計算すると
(210)
を得る.(2) とおく. 定義に従い計算すると
(211)
を得る.(3) とおく.定義に従い計算すると
(212) (213)
を得る.(4) とおく.定義に従い計算すると,
(214) (215) (216) (217) (218) (219)
を得る.
(5) とおく.定義に従い計算すると
(220)
を得る. ここで とおくと,
(221)
となる.ここで
(222)
が成り立つ.よって のとき である. 以上より
(223)
を得る.(6) , より
(224)
となる. の両辺は に関する関数である. 両辺を で微分すると
(225) (226) (227)
を得る.よって
(228)
となる.
Kondo Koichi
平成17年8月31日