2.6 関数
関数(function)とは, ある値 が与えられたとき, 何らかの演算規則 に従って値 を定め, その値 を返す機能のことである. 関数は
(32)
と書き表される. 例えばある関数を と書くことにすると,
(33) (34) (35) (36)
のように, の左辺の括弧内の がある数に書き置き換われば, 右辺の もその数に置き換わる. そしてそれぞれの に応じて値 が定まる.入力 にある変換 を作用させ出力 を返す.これを
または (37)
と表す.
定義 2.20 (関数に関する名称) 関数 に関連して次の名称を定義する:
- 定数(constant) 一定の値を表す数.
- 変数(variable) 変化する値を表す数.
- 独立変数(independent variable) 自由に値を定めることができる変数 のこと.
- 従属変数(dependent variable) 独立変数 に応じて値が変化する変数 のこと.
- 定義域,変域(domain) 独立変数 がとり得る範囲 .
- 値域(range) 従属変数 がとり得る範囲 .
例 2.21 (関数に関する名称の具体例) 関数 を考える. このとき , は定数であり,, は変数である. また は独立変数であり, は従属変数である. 定義域は であり, 値域は である.
定義 2.22 (グラフ) 軸と 軸を 直角に交わるように描き 平面 を用意する. 変数 の値を定義域内で変化させ,点 の軌跡を 平面内に描く. この曲線を関数 のグラフ(graph)と呼ぶ.
Kondo Koichi
平成17年8月31日