6.15 曲線の長さ
定理 6.54 (曲線の長さ) 区間 における関数 のグラフの曲線の長さは
(1095)
により得られる.
注意 6.55 (曲線の長さ) 曲線 のうちある点 のまわりの微小線分を とする. このとき を斜辺とする直角三角形を考える. その他の辺の長さを , とするとピタゴラスの定理より
(1096)
が成り立つ. 数学的には厳密ではないが次の展開をすると微小線分 は
(1097)
と表される. 曲線の長さ は微小線分 を全て足し合わせたものだから
(1098)
となる.
例 6.56 (曲線の長さの計算例) 単位円の円周の長さを考える. より だから 多価関数の枝を分けて
(1099)
とする.このとき
(1100)
が成り立つ.よって
(1101) (1102)
を得る.
例 6.57 (曲線の長さの計算例) における曲線 の長さ考える. であるから曲線の長さ は
(1103)
と表される.積分を計算する.置換積分として
(1104)
とおく.すると
(1105)
となる.双曲線関数の性質
(1106)
を用いると
(1107)
となる.
(1108)
を用いると
(1109) (1110) (1111)
となる.ここで
(1112)
であることを用いると
(1113) (1114) (1115) (1116)
を得る.
Kondo Koichi
平成17年8月31日