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5 数ベクトル空間
定義 1.20 ( 次元実ベクトル空間) 要素が実数の列ベクトル全体の集合
に次の演算が定義されているとき, を 次元実ベクトル空間 (-dimensional real vector space)という.(i) ベクトル とスカラー に対して スカラー倍を次のように定義する:
(ii) ベクトル に対してベクトルの和を 次のように定義する:
定義 1.21 ( 次元複素ベクトル空間) 要素が複素数の列ベクトル全体の集合
に次の演算が定義されているとき, を 次元複素ベクトル空間 (-dimensional complex vector space)という.(i) ベクトル とスカラー に対して スカラー倍を次のように定義する:
(ii) ベクトル に対してベクトルの和を 次のように定義する:
定義 1.22 (数ベクトル空間) , を 数ベクトル空間という.
注意 1.23 (零ベクトル) または の 零ベクトル(zero vector)を
と定義する. 零ベクトルは
をみたす.
注意 1.24 (逆ベクトルと差) の逆ベクトルを
と定義する. また, と との差を
と定義する.
定理 1.25 (ベクトルの演算の性質) ベクトル (または ) とスカラー (または )に対して 次の性質が成立する:
- (i)
- (交換則) .
- (ii)
- (結合則) .
- (iii)
- (スカラー倍に関する結合則) .
- (iv)
- (スカラー倍に関する分配即) .
- (v)
- (スカラー倍に関する分配即) .
問 1.26 (ベクトルの演算の性質) この定理をスカラー倍とベクトルの和の定義を用いて証明せよ.
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Created at 2004/12/13