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22 解空間
定義 1.99 (解空間) 同次系 の解の集合
を解空間(solution space)という.
定理 1.100 (解空間と部分空間) 解空間 は の部分空間である.
(証明) とする. すなわち,, は方程式 の解であり,
をみたすとする. このとき,
となるので もまた解である. よって となり, は部分空間である.
注意 1.101 (非同次系の解空間) 非同次系 の解空間 は の部分空間ではない. なぜなら, より 非同次系は原点 を解にもたない. よって は を含まず,部分空間とはならない. つまり,
である.
定理 1.102 (解空間の次元) 同次系の解空間 の次元は一般解の任意定数の個数と等しく,
で与えられる.
定義 1.103 (一般解) 解空間 の基底 を 方程式 の基本解という. このとき の任意のベクトルは 基本解の線形結合で
と表される. これを方程式 の一般解という.
例 1.104 (解空間の具体例) 解空間
を考える. 方程式を とおく. を簡約化して
となる. これより,方程式は
と書き換わる. より任意定数の個数は となり, 任意定数を とおく. よって一般解は
と得られる. ここで , , は基本解である. 解空間は
となる. の基底を求める. が 1 次独立であるか調べる. 1 次関係
より
となる. よって条件をみたすのは のときのみである. は 1 次独立である. の基底は となる. 以上より
を得る. これは解の任意定数の個数に等しい.
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Created at 2004/12/13