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19 次元
定理 1.84 (ベクトル空間の基底の個数) ベクトル空間の基底の個数は取り方に依らず一意に定まる. その個数は, ベクトル空間に含まれる 1 次独立なベクトルの最大個数と等しい.
定義 1.85 (次元) ベクトル空間 の基底の個数が 個であるとき, これをベクトル空間 の次元(dimension)と呼び,
と表記する.
例 1.86 (ベクトル空間の次元の具体例) は標準基底 を 用いて
と表されるので,次元は
となる.
定理 1.87 (ベクトル空間の次元と階数) 部分空間
の次元は
である.
定理 1.88 (部分空間の次元) ベクトル空間 , が
であるとき,
が成り立つ.
例 1.89 (部分空間の次元の具体例) ベクトル
を用いて生成される部分空間
の次元を求める.(1) の基底は である.よって
となる. は原点 と点 を通る直線である.(2) の基底をまず求める. , が 1 次独立であるか調べる.
であるから, であり,, は 1 次独立となる. よって の基底は であり,
を得る. は原点 と点 , を通る平面である.(3) の基底をまず求める. が 1 次独立であるか調べる.
であるから, であり,, , は 1 次独立となる. よって の基底は であり,
を得る. は 3 本の軸がそれぞれ 点 , , を 通る 3 次元空間である.(4) の基底をまず求める. が 1 次独立であるか調べる.
であるから, であり,, , は 1 次従属となる. 最大個数となる 1 次独立なベクトルは であり, その他のベクトルは と表される. よって の基底は であり,
となる.以上より
を得る. は平面 と等しい. 点 は平面 に含まれる点であるためである.(5) の基底をまず求める. が 1 次独立であるか調べる.
であるから, であり, , , , は 1 次従属となる. 最大個数となる 1 次独立なベクトルは であり, その他のベクトルは と表される. よって の基底は であり,
となる.以上より
を得る. は と等しい. であるから,
となることを注意する.
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Created at 2004/12/13