Next: 2 不定積分の性質 Up: 6 積分法 Previous: 6 積分法   Contents
1 不定積分
関数 に関して で``微分をする''という操作を という 演算子,作用素(operator)で表すとする. すなわち関数 に微分演算 を作用させるとは
(783)
のことである. この微分演算の逆演算を考える. これを と表記し
(784)
と表すことにする. 逆演算により得られる関数 は 方程式
を満たす関数と定義する. 定義からただちに分かるように, ある関数 が 方程式()を満たすとき, を任意定数として関数 もまた 方程式()を満たす. よって必ず
(786)
が成り立つ. 微分の逆演算 は 通常 という記号を用いる. これで書き直すと
(787)
と表せる.
定義 6.1 (不定積分) 関数 に対して, 微分演算 の 逆演算を と表記し,
(788)
と定義する.ただし は任意定数である. を不定積分(indefinite integral), を被積分関数(integrand), を積分定数(constant of integration), を原始関数(primitive function)と呼ぶ.
Kondo Koichi
Created at 2004/08/14