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例 5.9 (指数関数のテイラー級数)
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(559) |
(導出)
とおく.
導関数を計算すると
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(560) |
となる.
点
における微分係数は
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(561) |
である.
よってテーラー級数は
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(562) |
と求まる.
巾級数
の
収束半径
を求める.
係数は
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(563) |
であるから,
収束半径として
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(564) |
を得る.
例 5.10 (三角関数のテイラー級数)
(導出)
とおく.
導関数を計算すると
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(567) |
である.一般的に書くと
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(568) |
である.点
における微分係数は
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(569) |
と求まる.
これを用いてテーラー級数を求めると
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(570) |
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(571) |
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(572) |
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(573) |
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(574) |
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(575) |
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(576) |
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(577) |
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(578) |
を得る.
収束半径を求める.
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(579) |
とおくと
が得られる.
例 5.11 (対数関数のテイラー級数)
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(582) |
(導出)
とおく.
導関数を計算すると
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(583) |
となる.一般的には
に対して
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(584) |
と表わされる.
点
における微分係数は
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(585) |
となる.
よってテーラー級数は
と得られる.
収束半径
を求める.
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(588) |
とおくと,
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(589) |
と得られる.
例 5.12 (有理関数のテイラー級数)
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(590) |
(導出)
とおく.
導関数を計算すると
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(591) |
である.
一般的には
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(592) |
と表わされる.
点
における微分係数は
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(593) |
と得られる.
よってテーラー級数は
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(594) |
となる.
収束半径
は
とおくと
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(595) |
と得られる.
例 5.13 (多項式のテイラー級数)
が自然数以外の実数のとき,
が自然数のとき,
(導出)
とおく.
導関数を計算すると
である.
が自然数の場合と,
それ以外の場合に分けて考える.
まず
が自然数以外の実数のときを考える.
導関数は
と表わされる.
点
における微分係数は
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(604) |
となる.
よってテーラー級数は
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(605) |
と求まる.
収束半径
は
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(606) |
とおくと,
と得られる.
次に
が自然数のときを考える.
導関数は
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(609) |
と表わされる.
点
における微分係数は
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(610) |
と求まる.
よってテーラー級数は
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(611) |
と得られる.
この展開式は有限項の和であり,有限次数の多項式である.
が自然数のときのテーラー展開は
二項展開となる.
展開式は多項式であり任意の実数
に対して成立する.
よって
であり,収束半径は
となる.
問 5.14
参考書(p.191)問題 7-5 2, 3.
定義 5.15 (階乗の拡張)
を実数とする.このとき
を
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(612) |
と定義する.
例 5.16 (階乗の具体例)
が自然数
のとき
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(613) |
である.
が自然数ではないとき
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(614) |
となり無限積で表わされる.
例えば
のときは
となる.
定義 5.17 (二項係数の拡張)
実数
, 自然数
に対して
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(617) |
と定義する.
例 5.18 (二項係数の具体例)
が自然数
のときは
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(618) |
であり通常の二項係数と等しい.
,
のとき
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(619) |
となる.
,
のとき
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(620) |
となる.
注意 5.19 (三角関数と指数関数)
三角関数と指数関数は
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(621) |
の関係にある.
ここで
は複素指数関数である.
複素指数関数は複素数
に対して
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(622) |
と定義される.
右辺は複素巾級数である.
この定義より関係式が自然に導出される.
このとき
とし
とおく.
すると
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(623) |
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(624) |
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(625) |
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(626) |
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(627) |
を得る.
同様に
とおくと
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(628) |
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(629) |
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(630) |
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(631) |
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(632) |
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(633) |
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(634) |
を得る.
を
に置き換えることで,最初の関係式を得る.
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Kondo Koichi
Created at 2004/08/14