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有理関数
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(833) |
の不定積分
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(834) |
を考える.
任意の有理関数は積分可能である.
Step 1 (分子を分母で割る)
分子の次数 が分母の次数 以上のときは
まず割り算を行い,
とする.
このとき多項式の部分は必ず積分が可能である.
よって以後では分子の次数 は分母の次数 より小さい()とする.
例 5.15 (分子の次数を分母の次数より小さくする)
分子の次数が分母の次数以上の場合はまず
分子を分母で割り,
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(836) |
のように変形する.
この式に対して積分すると
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(837) |
となる.
多項式部分は積分される.
残るは有理式の積分である.
以後は
となる有理関数の積分のみを考える.
Step 2 (分母を因数分解する)
有理式を
とする.
分母の多項式 を実数の範囲で因数分解する.
このとき
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(838) |
と表される.
は重複度である.
2次式の判別式は負である.
Step 3 (部分分数分解する)
有理式
を
部分分数分解する.
すなわち
と変形する.
例 5.17 (部分分数展開の具体例)
部分分数分解として
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(846) |
とする.
通分して同じ次数でまとめると
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(847) |
となる.よって係数は
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(848) |
を満足しなければならない.
これを解くと
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(849) |
となる.
よって部分分数分解は
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(850) |
と表される.
問 5.18 (部分分数展開の計算例)
部分分数分解として
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(851) |
とする.
係数
,
,
,
を定めよ.
問 5.19 (部分分数展開の計算例)
部分分数分解として
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(852) |
とする.
係数
,
,
,
,
,
,
,
を定めよ.
例 5.20 (部分分数展開の具体例)
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(853) |
より
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(854) |
となり
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(855) |
を得る.よって
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(856) |
となる.
例 5.21 (部分分数展開の具体例)
より
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(859) |
である.解くと
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(860) |
となる.よって
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(861) |
を得る.
Step 4 (部分分数ごとに積分する)
部分分数ごとに積分を行う.
すなわち
を計算する.
それぞれの場合ごとに積分を考える.
まず,
分母の因子が 次式の場合の積分を行なう.
すると
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(866) |
を得る.
次に,
分母の因子が 次式の場合の積分を行なう.
次式の判別式が負であることに注意すると
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(867) |
と表される.
ここで
,
, とおく.
すると
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(868) |
と表される.この形から積分を進める.
さらに式変形すると
となる.
ここで
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(872) |
とおく.
第一項目の積分 は
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(873) |
と求まる.
第二項目の積分 を計算する.
のとき
となる.
のときは漸化式
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(876) |
より が定まる.
これを示す.
置換積分を用いると
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(877) |
となる.ここで
とおいた.
式変形すると
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(878) |
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(879) |
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(880) |
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(881) |
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(882) |
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(883) |
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(884) |
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(885) |
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(886) |
となり漸化式を得る.
例 5.23 (部分分数を積分する具体例)
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(891) |
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(892) |
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(893) |
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(894) |
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(895) |
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(896) |
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(897) |
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Kondo Koichi
Created at 2003/08/29