2.19 2 変数関数 と 1 変数関数の合成関数の微分
定理 2.82 (合成関数の微分) 全微分可能な 2 変数関数 と 1 変数関数 , との 合成関数 の導関数は
となる.また,代入も含めて正確に書くと
となる.
(証明) 関数 は全微分可能であり, 関数 , は微分可能とする. このとき
が成り立つ.または,
と表される. ただし, とおく. このとき,
が成り立つ. の極限をとると, , , より, , であり,
となるので,
を得る.
例 2.83 (合成関数の微分) 関数 , , の合成関数 の導関数は,
より
となる.
例 2.84 (合成関数の微分) 関数 , , の 合成関数の導関数は,
より
となる.
例 2.85 (合成関数の微分) 関数 , , の合成関数の微分は,
より
となる.
例 2.86 (合成関数の微分) 関数 において, 合成関数 の を求める. , より
となる. さらにこの式の両辺を 微分して も求める. 上式の結果と第 1 項目の積の微分に注意して計算すると,
を得る.
例 2.87 (合成関数の微分) 関数 , の 合成関数 の 微分を考える. まず,, と置き換えて, を で微分する. , より
となる. を に置き換えると
を得る. 同様にして,
を得る.
例 2.88 (合成関数の微分) 関数 を用いて関数 を考える. このとき で微分すると
となる.さらに微分して
となる.
例 2.89 (合成関数の微分) 関数 の 3 階導関数は
となる.
例 2.90 (合成関数の微分) , , のとき,
となる.
平成21年12月2日