2.19 三角関数
単位円(半径 で中心が原点 にある円) と 原点 を通る直線 を用意する. 円 と直線 の交点を とする. 点 より 軸に下ろした垂線と 軸との交点を とする. 点 を とし, を通り 軸に平行な直線と直線 との交点を とする. から点 への円弧の(方向付き)長さを とする. このとき, 点 の座標を と定義し, 点 の座標を と定義する. この定義により得られる関数を 三角関数(trigonometric function)と呼ぶ. 読み方は , , の順に sine, cosine, tangent である.
三角関数のべき乗 は のように略記する. しかし のときはこの表記は用いない. は逆三角関数を意味する. このとき表記は や とするか 新たな記号
を用いる.
定理 2.48 (三角関数は単位円上の点)
(証明) 単位円の半径の長さは なので より 導出される.
定理 2.49 (三角関数の偶奇)
, は奇関数であり, は偶関数である.
定理 2.50 (三角関数の周期性)
, は周期 の周期関数であり, は周期 の周期関数である.
定理 2.51 (三角関数の加法公式) 三角関数の加法公式:
定理 2.52 (三角関数の性質) 三角関数どうしの互いの関係:
問 2.53 (三角関数の性質) これを示せ.(答え) 加法公式から導出される.
定理 2.54 (三角関数の合成)
問 2.55 (三角関数の合成) これを示せ.(答え) 加法公式から導出される.
問 2.56 (三角関数のグラフ) 三角関数の概形を書け.
例 2.57 (三角関数の値)
問 2.58 ( 倍角の公式) , , , を の多項式で表せ.(答え)
平成21年6月1日