6.29 広義積分
有限区間で連続な関数に対し定義される量が定積分である. 不連続点を含む区間や無限区間における積分へ拡張する. この拡張された積分を広義積分(improper integral)という.
定義 6.142 (不連続点を含む区間での広義積分) 関数 が で不連続で,区間 で連続なとき,
で不連続で,区間 で連続なとき,
で不連続で,区間 で連続なとき,
以上の極限が存在するとき広義積分は収束するという.
例 6.143 (不連続点を含む広義積分の具体例)
定理 6.144 (広義積分の収束次数) 実数 に対して次の広義積分が成り立つ:
問 6.145 (広義積分の収束次数) これを示せ.
例 6.146 (広義積分の計算例)
例 6.147 (広義積分の計算例)
ここで, , とおき, , , を用いた.
定義 6.148 (無限区間での広義積分) 関数 が無限区間 で連続なとき,
無限区間 で連続なとき,
無限区間 で連続なとき,
以上の極限が存在するとき広義積分は収束するという.
例 6.149 (無限区間での広義積分の具体例)
例 6.150 (無限区間での広義積分の具体例) に対して
例 6.151 (無限区間での広義積分の具体例)
定理 6.152 (広義積分の収束次数) 実数 に対して次の広義積分が成り立つ:
問 6.153 (広義積分の収束次数) これを示せ.
例 6.154 (広義積分の収束性) 広義積分
を考える.被積分関数は
の関係が成り立つので,
となる.ここで,
であるから,はさみうちの定理より,
を得る.
平成21年6月1日