定理 4.17 (線形写像の行列表示)
任意の線形写像
は
と
行列表示が可能である.
行列
を
の
標準基底に関する表現行列という.
例 4.18 (線形写像の行列表示の具体例)
ある線形写像
は
をみたす写像である.
このとき
の行列表示
を求める.
の任意のベクトルは
と表される.
このとき
が成り立つ.
よって
の標準基底に関する表現行列
は
である.
の行列表示
は
と得られる.
例 4.19 (線形写像の行列表示)
における
平面への
射影変換
;
の行列表示を求める.
の任意のベクトル
を
で写すと,
と表される.
ここで,標準基底を
で写すと
となる.これを用いると
標準基底に関する
の表現行列は
と求まる.
あらためて行列表示を成分で表すと,
となる.また
とも書ける.
例 4.20 (行列表示の具体例)
ある線形写像
は
をみたす写像である.
このとき
の行列表示
を求める.
の任意のベクトル
は標準基底
では
となり,基底
では
と表される.
これは基底
における
座標
から
基底
における
座標
への
座標変換を表し,
は基底の変換行列である.
また,この逆変換は
となる.
これを用いて,
任意のベクトル
を
で写すと
と,
の行列表示が得られる.
標準基底に関する表現行列
は
となる.
よって線形写像
の行列表示を成分であらためて表すと
となる.
平成20年2月2日