連立 1 次方程式
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(565) |
を考える.
このときこの方程式が一意な解ともつ条件を求める.
方程式を書き直すと
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(566) |
となる.
拡大係数行列は
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(567) |
である.
簡約化を行う:
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(568) |
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(第一行に
を掛けて第二行に加える.) |
(569) |
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(570) |
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(第二行に を掛ける.) |
(571) |
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(572) |
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(第二行に
を 掛けて第一行に加える.) |
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(574) |
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(第一行に を掛ける.) |
(575) |
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(第二行に
を掛ける.) |
(576) |
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ここで
と
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(578) |
を条件としてかした.
このとき拡大係数行列の階数は であり,
一意な解
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(579) |
をもつ.
この結果より,行列 に対してスカラー量 を
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(580) |
と定義する.
を行列式(determinant)という.
以上より,
連立方程式の解の判別条件を得る.
のとき行列 はフルランクであり
一意な解をもつ.
のとき行列 はランクが落ち
一意な解をもたない.
同様にして正方行列 に対して行列式を定義すると
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(582) |
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(583) |
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となる.
一般に 行列では
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となることが予想される.
ここで
は から の整数でお互いが異なる値をとる.
総和 はこの組合わせの全ての和をとる.
互いに異なる 個の組合わせを考えるので
足し合せる項は である.
すなわちこの組合わせの集合 は
である.
の元の個数は順列組合わせの個数となるので 個である.
符合 は次節の置換の符合から定まる.
平成20年2月2日