4.20 $ \mathbb{R}^3$ における回転

4.86 ( $ \mathbb{R}^3$ の回転)   直交変換

  $\displaystyle f:\mathbb{R}^3\to\mathbb{R}^3;$    
  $\displaystyle \vec{y}= \begin{bmatrix}\cos\theta & -\sin\theta & 0 \\ \sin\theta & \cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{bmatrix} \vec{x}= R\vec{x}$    

を考える. この写像は $ x_3$ 軸を中心に $ \theta$ 回転を表す. $ R{R}^{T}=E$ より $ R$ は直交行列である.

4.87 ( $ \mathbb{R}^3$ の回転)   $ x_1$ 軸まわりの回転は

$\displaystyle R_1= \begin{bmatrix}1 & 0 & 0 \\ 0 & \cos\theta_1 & -\sin\theta_1 \\ 0 & \sin\theta_1 & \cos\theta_1 \end{bmatrix}$    

と表され, $ x_2$ 軸まわりの回転は

$\displaystyle R_2= \begin{bmatrix}\sin\theta_2 & 0 & \cos\theta_2 \\ 0 & 1 & 0 \\ \cos\theta_2 & 0 & -\sin\theta_2 \end{bmatrix}$    

と表され, $ x_3$ 軸まわりの回転は

$\displaystyle R_3= \begin{bmatrix}\cos\theta_3 & -\sin\theta_3 & 0 \\ \sin\theta_3 & \cos\theta_3 & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{bmatrix}$    

と表される. $ R_1$, $ R_2$, $ R_3$ は直交行列である.

注意 4.88 ( $ \mathbb{R}^3$ の回転)   $ x_1$ 軸まわりに回転し,その後 $ x_2$ 軸まわりに回転させるとき, 表現行列は $ R_2R_1$ である.これもまた直交行列である. 同様に $ R_1R_2$, $ R_1R_3$, $ \cdots$ もまた回転を表す. ただし, $ R_iR_j\neq R_jR_i$ であることに注意. 回転させる順番が異なれば違う回転を表す.

4.89 ( $ \mathbb{R}^3$ の回転)   原点を通り方向ベクトルが $ \vec{u}=
{\begin{bmatrix}1 & 1 & 1 \end{bmatrix}}^{T}$ の直線を軸とする回転を考える. この回転変換の表現行列を求めよ.

Kondo Koichi
平成18年1月17日