4.12 余因子展開
定理 4.74 (余因子展開) 行列式 に対して
(756) (757) (758)
が成り立つ. これを第 行に関する余因子展開という. また,
(759) (760) (761)
が成り立つ. これを第 列に関する余因子展開という.
問 4.75 (余因子展開) これを示せ.
(証明) 第 行に関する余因子展開を示す. まず行列式 の第 行目を第一行目に移動すると
(762)
となる. 次に第一行目の行ベクトルを 個のベクトルとしてみなし, 行列式を 個に分解すると
(763) (764) (765)
となる. 各項の第 列を第一列に移動すると
(766) (767) (768)
となる.各項を第 成分で展開すると
(769) (770) (771)
を得る. 同様の操作で列に関する余因子展開は示される.
例 4.76 (余因子展開の計算例) 第 列目で余因子展開し,
(772) (773)
を得る.
例 4.77 (余因子展開の計算例) 第 行目で余因子展開し,
(774) (775)
を得る.
例 4.78 (余因子展開の計算例) 第一行目を余因子展開し,
(776) (777)
を得る.
Kondo Koichi
平成17年9月15日