3.2 ベクトルの 1 次結合と連立 1 次方程式
定義 3.4 (ベクトルの 1 次結合) 個のベクトル が 与えられたとき,ベクトル
(388)
を の 1 次結合(linear combination)と呼ぶ.
例 3.5 (ベクトルの 1 次結合の具体例) 2次の列ベクトル を と の 1 次結合で表すと
(389)
となる.連立 1 次方程式 の 係数行列 を 列ベクトルで分割し と書き直すと, 方程式は
(390)
となる. すなわち となる. これはベクトル を の 1 次結合で 表したものに他ならない. 連立 1 次方程式は 1 次結合の係数 を 求める問題と等価である.
例 3.6 (ベクトルの 1 次結合と連立 1 次方程式の関係の具体例) を と の 1 次結合で表す. すなわち
(391)
を満たす係数 , を求める. これを書き直すと
(392)
となる. 結局,連立 1 次方程式を求める問題に帰着する. これを解くと , となる. よって
(393)
を得る.
問 3.7 教科書(p.18) 問題1.4 3.-6.
Kondo Koichi
平成17年9月15日