5.8 巾関数のマクローリン級数
例 5.13 (多項式のテイラー級数) が自然数以外の実数のとき,
(627) (628)
が自然数のとき,
(629) (630)
(導出) とおく. 導関数を計算すると
(631) (632)
である. が自然数の場合と, それ以外の場合に分けて考える. まず が自然数以外の実数のときを考える. 導関数は
(633) (634)
と表わされる. 点 における微分係数は
(635)
となる. よってテーラー級数は
(636)
と求まる. 収束半径 は
(637)
とおくと,
(638) (639)
と得られる. 次に が自然数のときを考える. 導関数は
(640)
と表わされる. 点 における微分係数は
(641)
と求まる. よってテーラー級数は
(642)
と得られる. この展開式は有限項の和であり,有限次数の多項式である. が自然数のときのテーラー展開は 二項展開となる. 展開式は多項式であり任意の実数 に対して成立する. よって であり,収束半径は となる.
Kondo Koichi
平成17年8月31日