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定理 6.7 (置換積分法)
積分変数を
と変換すると
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(820) |
となる.
また逆に
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(821) |
と積分変数を
と置き換えて積分する.
この積分の方法を
置換積分法(integration by substitution)という.
(証明)関数 を の原始関数とする.
変数 を と変数変換する.
このとき
は
合成関数の微分則より
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(822) |
となる.両辺を
で積分すると
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(823) |
を得る.左辺は
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(824) |
であるから証明終了.
例 6.8 (置換積分の使用例)
不定積分
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(825) |
を計算する.まず
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(826) |
と変数変換する.このとき両辺を
で微分すると
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(827) |
であるので
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(828) |
を得る.これより置換積分法を用いると不定積分は
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(829) |
となる.変数
を
に戻すと
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(830) |
を得る.
置換積分は慣れてくれば変数変換を省略して計算をする.
次のように式変形を行なう:
例 6.9 (置換積分の使用例)
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(834) |
例 6.11 (置換積分の使用例)
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(838) |
これで不定積分は得られたが他の表現も考える.
逆双曲線関数は
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(839) |
とも表される.これを用いると不定積分は
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(840) |
となる.またこれを変形すると
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(841) |
となる.
は任意の定数なので
をあらためて
と
おき直すと
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(842) |
を得る.
以上得られた結果は
任意定数分の不定性を除けば全て同じ不定積分である.
注意 6.12 (不定積分の関数の表現)
不定積分は計算の方法により得られる結果が一見すると
違うときがある.
これは不定積分が任意定数の不定性をもつためである.
注意が必用である.
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Kondo Koichi
Created at 2004/08/14