Next: 12 テイラー級数を用いた関数の極限の計算 Up: 4 テイラー級数 Previous: 10 項別積分   Contents
11 ランダウの記号
定義 4.43 (ランダウの記号) 関数 , に対して
(728)
が成り立つとき,
(729)
と表記する. はランダウ(Landau)の記号であり, 「ラージオー」と読む. またこのとき, は に比べ無視できるという.
定義 4.44 (ランダウの記号) 関数 , に対して
(730)
が成り立つとき,
(731)
と表記する. はランダウ(Landau)の記号であり, 「スモールオー」と読む. またこのとき は で押さえられるという.
注意 4.45 (二つのランダウの記号の関係) 関数 , に対して
(732)
が成り立つとき, であれば となるので
(733)
が成り立つ.
定義 4.46 (無限大,無限小) 関数 , が において無限小または 無限大となるとき,次の呼び方を定義する.
- , , のとき, は より高次の無限小と呼ぶ. または は より低次の無限小と呼ぶ.
- , , のとき, は より低次の無限大と呼ぶ. または は より高次の無限大と呼ぶ.
- , , のとき, と とは同次の無限小と呼ぶ.
- , , のとき, と とは同次の無限大と呼ぶ.
例 4.47 (ランダウの記号の使用例)
(734) (735)
(736) (737)
(738) (739)
注意 4.48 (テイラー展開とランダウの記号) テイラー展開により
(740) (741)
が成り立つ.なぜなら
(742)
となるからである.同様に
(743)
となることより得られる.
Next: 12 テイラー級数を用いた関数の極限の計算 Up: 4 テイラー級数 Previous: 10 項別積分   ContentsKondo Koichi
Created at 2003/08/29